隠居芸人です。
こんな記事がありました。
健康寿命、男女とも延びる 男性72歳・女性74歳(日経新聞、2018年3月9日)
「平均寿命」ではなく「健康寿命」の話です。
2016年で男性72歳・女性74歳とのこと。
前回調査したのが、2013年でそこから3年で「男性が0.95歳、女性は0.58歳」延びたんだとか。
厚労省は食生活の改善などが寄与していると分析
ということだそうです。
リンク先では2001年から2016年までの平均寿命・健康寿命がグラフ化されていますが、なるほどたしかに右肩上がりです。
平均寿命と健康寿命の差が、介護が必要になる期間とのことです。
仮に男女共3年で0.5歳ずつ延びるとすると……30年後の健康寿命は男性77歳・女性79歳といったところでしょうか。
いやいや、待ってください。
ミレニアル世代の働き手の場合は65歳はおろか定年が70歳になっている可能性だってあるわけです。
年金受給開始が70歳から、75歳からとなれば、資産状況によってはギャップを埋めるため定年後も働かなければならないでしょう。
すると健康でいられる期間は、リタイアしてから数年しかないということになりませんか?
晴れて会社から「ご卒業」したあと、健康でいられる期間が10年とないわけです。
言うまでもないことですが、労働者は健康寿命に達するまでの期間のほとんどを労働に充てているということになります。
2019年現時点でさえ、再就職して年金受給開始の65歳まで働くとなれば、リタイアしてから健康寿命が尽きるまでの期間はわずか7年程度。
たった7年です。
40~50年近く労働した後、7年楽隠居生活をしたら次に待っているのが介護生活だなんて、ちょっとあんまりな話ではないでしょうか。
体力だって「現役」時代よりも衰えるわけです。
その状態で、7年でそれまで我慢してきたやりたいこと、すべてやり尽くせますか?
労働が好きで好きでしょうがないという人や、好きではないがそれほど嫌いでもないという人にとっては、あまり問題ないのかもしれません。
しかし「労働が嫌で嫌でしょうがない」「『理不尽に耐え続けるゲーム』に我慢ならない」という人は、上に書いた現実を直視した上で、身の振り方を考えてみてもいいかもしれません。
会社員がしんどいなら、1年でも早くリタイアするための道を模索してみることをおすすめします。
ぐっどらっく!