隠居生活

限界勤め人だった著者の隠居生活を綴ります

人生計画の立て方

これまでの人生のなかで一冊選べと言われたら、本多静六『私の財産告白』を選ぶと思う。

私はこの本から「勤倹貯蓄」と「実社会における人間力学(処世術)」のようなものを学んだ。

本多先生には、よく知られる『私の財産告白』以外にも多数の著書がある。そのうちの一つが『人生計画の立て方』だ。

少しだけ引用してみたい。

本多先生が二十五歳のときに立てた人生計画の概要だ。

第一 満四十歳までの十五年間は、馬鹿と笑われようが、ケチと罵られようが、一途に奮闘努力、勤倹貯蓄、もって一身一家の独立安定の基礎を築くこと。 第二 満四十歳より満六十歳までの二十年間は、専門(大学教授)の職務を通じてもっぱら学問のため、国家社会のために働き抜くこと。 第三 満六十歳以上の十年間は、国恩、世恩に報いるため、一切の名利を超越し、勤行布施のお礼奉公につとめること。 第四 幸い七十歳以上に生き延びることができたら、居を山紫水明の温泉郷に卜(ぼく)し、晴耕雨読の晩年を楽しむこと。 第五 広く万巻の書を読み、遠く万里の道を往くこと。 本多静六『人生計画の立て方』より

「設計図なくしては、いかに老練な建築家も立派な家を造ることができないと同様に、まず『人生計画』を樹てることなくして、何人も完全な意義ある人生を築き上げることは難しい。」

本多先生はそう言う。

あと5日で2019年が終わり、2020年が始まる。

1年の計画、5年の計画、10年の計画、20年の計画、30年の計画を立てようと思う。

自らの人生の進行管理役を全うしていきたい。